これは『嫁』として由々しき問題である。
誰だって夫の両親には『いい嫁』「利口な嫁』だと思ってもらいたい。
多少無理をしてでも、理想の嫁を演じたいものなのだ。
それなのに。
早速こんなことになってしまっては、自分の嫁としてのプランが台無しではないか。
おのれ辰巳彩葉。
どうしてくれようか。
表情を曇らせた依舞稀の頬を、遥翔の指はするりと滑る。
「何も心配しなくていい。こんなこと問題にもならないさ」
遥翔はそう言って優しく微笑んでくれた。
この笑顔が依舞稀の心をどれだけ安心させられる効果を持っているのか、きっと遥翔は知らないだろう。
「依舞稀は生きていくうえで必要なことをしたまでだ。誰にも迷惑なんかかけてない。堂々と俺の隣にいればいい」
遥翔が一番に惹かれた真っ直ぐな瞳も、芯の通った強い心も、人を温かく包み込む温もりも。
全ては今まで依舞稀の歩んできた道のりが作り上げたもの。
決して楽ではなかっただろうが、しっかりと前を向いてきた依舞稀を構築した大切なステータスだ。
依舞稀を知る人間ならば、そのことは十分に理解をしてくれるはずである。
それは遥翔の両親も例外ではない。
それを確信している遥翔の眼差しは、依舞稀にとって本当に心強い味方だ。
「遥翔さんがそう言ってくれると、本当にそうなってくれる気がするから不思議ですね」
「なにがあっても依舞稀は俺が守るんだから当然だ」
遥翔とならどんな困難に直面したとしても、必ず乗り越えられるだろう。
依舞稀はそう確信できた。
誰だって夫の両親には『いい嫁』「利口な嫁』だと思ってもらいたい。
多少無理をしてでも、理想の嫁を演じたいものなのだ。
それなのに。
早速こんなことになってしまっては、自分の嫁としてのプランが台無しではないか。
おのれ辰巳彩葉。
どうしてくれようか。
表情を曇らせた依舞稀の頬を、遥翔の指はするりと滑る。
「何も心配しなくていい。こんなこと問題にもならないさ」
遥翔はそう言って優しく微笑んでくれた。
この笑顔が依舞稀の心をどれだけ安心させられる効果を持っているのか、きっと遥翔は知らないだろう。
「依舞稀は生きていくうえで必要なことをしたまでだ。誰にも迷惑なんかかけてない。堂々と俺の隣にいればいい」
遥翔が一番に惹かれた真っ直ぐな瞳も、芯の通った強い心も、人を温かく包み込む温もりも。
全ては今まで依舞稀の歩んできた道のりが作り上げたもの。
決して楽ではなかっただろうが、しっかりと前を向いてきた依舞稀を構築した大切なステータスだ。
依舞稀を知る人間ならば、そのことは十分に理解をしてくれるはずである。
それは遥翔の両親も例外ではない。
それを確信している遥翔の眼差しは、依舞稀にとって本当に心強い味方だ。
「遥翔さんがそう言ってくれると、本当にそうなってくれる気がするから不思議ですね」
「なにがあっても依舞稀は俺が守るんだから当然だ」
遥翔とならどんな困難に直面したとしても、必ず乗り越えられるだろう。
依舞稀はそう確信できた。

