契約結婚!一発逆転マニュアル♡

「確かに規定違反を犯してしまったことは認めます」

こればっかりは調べられてしまっているのだから隠しようがない。

非のあることは素直に認めてしまった方が優位に立てる。

「しかしそれを専務に責め立てられることはないと思います」

偉そうにそう言っては見たものの、十分に攻められる案件であることはわかっている。

「なにを開き直ってるんだ?こんなことが許されるわけないだろう」

いくらバカだと言っても、簡単に引き下がってくれそうにもない。

これはたくさんの隙をついて、自分の行動を正当化していくしかないだろう。

遥翔にチラリと視線を向けたけれど、ニヤニヤと笑い返すだけで、選手交代してくれそうもないのだから。

「そうはおっしゃいますが、規定には『副業は禁止する』と書かれているだけで、具体的な罰則などを記されているわけではありません」

「常識的な人間であるならば、禁止されていることをしたりはしないだろう⁉一から十まで記されないとわからないのかね」

「なるほど。ごもっともです」

くそ。

他人を攻撃することに関しては、恐ろしいほどまでに正当性を突いてくるじゃないか。

上手く言いくるめようとしたけれど、副業に関しては誤魔化しようがない。

これに関しては素直に謝ることにしよう。

「それで専務はこの件に関して何をお求めですか?」

謙虚にそう聞いてみたけれど。

「そんなの決まっているだろう?このままでは他の社員にも示しがつかない。きっちりと責任を取ってもらわなくてはな」

謝る前にやはり足掻いてみることにしよう。