__怠い。




「笹谷ーっ、今日は指相撲で勝負すっぞ!」



怠い、まちがいなく、今日は怠い。


無駄に蒸し暑い今日の気温でも、今日も突っかかってくるこの男でもなくて。



「やだ」



身体が、怠い。




「はぁ〜?なんでだよ!こっちはお前にずっと負けっぱなしで納得できてねーんだよっ」

「知らないよ。あんたが私に勝つことなんてきっとないよ」

「んだとぉ!そんなの、分かんないだろ!」

「はいはい。もうそろそろさ、」



__諦めなよ、


そう言って目の前の長身の男を憐れむような目で見るけれど、効果はいまひとつのよう。