「このまま離れたら、みんなあたしたちのことを忘れる気がして怖い……。あたし、何か大きなことを最後にしたい!!」

転校してしまけば、いつか忘れられてしまうかもしれない。それが愛桜にとって怖いものだった。どれだけ離れてしまってもみんなの記憶に残るようなことがしたい。そう思っていたのだ。

「愛桜……。なら、こうしよう」

桜士があることを提案する。愛桜はその提案を聞いた刹那、「それいいね!」と笑顔を見せた。



数週間後、愛桜と桜士は校門の前に立っていた。目の前にはたくさんのクラスメートや友達がいる。

「元気でな!」

「大阪に絶対遊びに行くね」

泣きながらそう言う友達もいた。みんなから手紙や花束をもらい、愛桜の瞳がまた涙で緩む。しかし、今はまだ泣くわけにはいかない。ギュッと唇を噛み締めた。

「みんな!最後に俺たちからのプレゼントを受け取ってくれる?」

泣きそうになり、言葉を発せられない愛桜に代わり桜士が言った。みんなの目が興味に満たされていく。