「なんか、言われた?
お母さんに」
甲ちゃんに聞かれた
「や、別に…」
「なんか律、ずっと考えてるから…」
「あ!先生ますます綺麗になったって」
「好きな人がいるからかな…?」
そう言って甲ちゃんは照れ笑いした
苺をおいしそうに
口に入れた
「オレにも
もう1個ちょうだい!」
「ハイ…」
ヘタをとって皿に置かれた
苺が食べたいわけじゃなくて
甲ちゃんの手が欲しかった
「嫌だった?手…」
甲ちゃんに聞いた
「嫌じゃないけど…
…なんか恥ずかしい…
…
だって、手も身体の一部だし
身体触られてるのと
同じ気持ちになる…」
「じゃあ…
…
やっぱ、いいや…
なんでもない…」
じゃあ…
身体触られるのも
嫌じゃないってこと…?



