「夢みたい。まだ信じられない。」 ポツンと言う啓子。 聡は そっと 啓子の手を取り 人差し指を噛む。 「痛い。」 と啓子が驚くと、 「夢じゃないよ。」 と優しく笑った。 こんな日が 来るなんて 信じられなくて。 一人 思っているだけで 満足していた啓子。 聡に 気持ちを告げられ 聡とキスをして 別の不安が 湧き上がる。 啓子は 二十九才になったけれど 何も知らないから。 これから どうすればいいのか。 想像もつかない。