料理が 運ばれてきて しばらく 黙って 見つめ合う二人。


遅れてきた波が 啓子の胸を乱し 自分は 今 凄いことを 言われていると気付く。
 

「私 横山さんには いつも明るく 笑っていてほしいから。」


聡への返事に なっていないけれど。

啓子は 自分の気持ちを言う。
 

「そのために 俺のそばに いてくれる?」


聡に もう一度聞かれて 啓子は頷く。


「林さん まだ彼女のこと こだわっているかも しれないけど。俺 必ず 信じてもらえると思う。」

啓子は まだ 聡の言葉を 現実だと思えなかった。
 
「でも どうして 私なの。」

聡なら もっと 素敵な女の人を 選べるはず。

何故 自分が 聡に選ばれたのか 啓子は わからなかった。