中学を卒業するまで付き合っていた男は
自分から告白してきたくせに浮気をして別れた。
随分泣いたし、もう当分恋なんてしないと誓った。
高1の入学式当日、私たちの担任は少し変わってて
「あいうえお順なんて面白くないでしょ」
なんて言って席をガラッと変えた。
だから赤崎の前が沼田だったり
日高の後ろが石川である私だったりした。
日高はすぐに周りの人達と打ち解けてた
笑う横顔が綺麗で、こっち見てくんないかな、なんて思った。
そしたらくるっと体がこっちに向いてきて、
大きくはない、でもキラキラと光る瞳が私の目と交わった。
「よろしく、俺日高
誰さん?」
「………石川さん」
「ははっ!石川サン」


