目の前には、
日高と チャラチャラした割に黒髪の、着崩した制服の男がいる。
日高は何故か自信満々に笑みを浮かべている。
あたしは困惑の表情で日高を見た。
するとそれに答えるように、日高が口を開く。
「俺、思ったんだよ。
お前には沢山相談乗ってもらって助けてもらってんのに、俺はなんもしてないなって」
「…それと、この状況に、なんの関係が?」
よくぞ聞いてくれた、と言わんばかりに
日高が身を乗り出す。
「考えてみればお前、高校入って彼氏作ってねーじゃん?
んで、お前と話してみたいってやつがちょうど居て、紹介しようと思ってさ」
「……」
「こいつ、一宮。チャラけてるけど、いーやつだから仲良くしてあげてよ」
「あっくんやさしー」


