夏休みを控えて 2人とも 忙しくなって。

夜は ゆっくり 会えなかったけど。

休日は 朝から ドライブをした。


恋愛経験がない私は デートもしたことがなくて。

どこに行っても 新鮮だった。


純也は そんな私に喜んで。

色々な場所へ 連れて行ってくれる。


「このあいだ 契約したお客さんは すごく良い人だから。安心して。」

「私に 仕事 回してくれて ありがとうございます。」

「まりえは 仕事が丁寧で。お客さん受けも いいからね。」

「そうかな?だったら いいけど。」

「お客さんの評判 すごく良いよ。感じが良くて 親切で 美人だって。」

「まさか。」

「その上 料理上手で 胸も大きいって。」

「もう!純也。」


車の中も 私達の会話は 楽しくて。


「まりえって 長野の出身なんだね。」

「そう。佐久市っていう所。知ってる?」

「知ってるよ。軽井沢の近くだろう?」

「うん。高速ができて ずいぶん変わったけど。子供の頃は すごい田舎だったの。」

「まりえ どんな子供だったの?」

「野良娘。いつも外で遊んでいて。真っ黒に焼けてた。」


ゲラゲラ笑う 純也が 嬉しくて。

私って 本当は 明るい性格だったんだ。


子供の頃は お転婆で。

いつも 泥だらけになって 遊んでいたのに。


また 元気な私に 戻れそうで。

ずっと失っていた 笑顔だらけの 私に。