バイト先の 厨房には 男子学生が何人か アルバイトしていた。

あゆみさんは その中の1人 

栄太さんと 付き合っていた。


栄太さんとあゆみさんは 

いつも 同じシフトで バイトに入っていた。


栄太さんは 出来上がった料理を 

あゆみさんに 渡すとき 

少し 照れた顔で 微笑む。


私は そんな2人を 羨ましく見ていた。


「じゃ、麻里絵ちゃん また明日ね。」

バイトが終わると 2人は

いつも 一緒に帰っていく。


『いいなぁ…』

私は あゆみさんの 

大人っぽい笑顔に 憧れていた。


いつか私も あんな風に

恋人と一緒に 帰りたい。


臆病な私も 少しずつ 大人になっていた。