「あの時 まりえ 何て断ったか 覚えてる?」

「うん。今は 仕事を覚えるだけで 精一杯だから。恋愛する 余裕がないって言ったの。」


峰岸さんの 打合せが終わった後で

純也は 私に 食事をご馳走してくれた。

そこで 私は 告白されたけど。

誰かと付き合うことは 考えられなかった。


「あの後も 俺のお客さん 何人も 担当してくれたでしょう?その度 俺 まだかなって思っていたんだ。」

「フフフ。時々 純也 随分 仕事 慣れたね。そろそろ 俺と 付き合おうよって 言ってくれたよね?」

「まりえ 彼がいる雰囲気じゃなかったから。」

「私 恋はしないって。仕事 頑張って ずっと1人で 生きていくつもりだったの。」


「うん。そんな感じだった。だから まりえが 気になって。可愛いし すごく良い子なのに。どうしてかなって。まりえ いつも明るく笑っているのに どこか 寂しそうでさ。俺が まりえを 心から笑わせたいって。ずっと思ってたんだよ。」

「他の子と 付き合おうって 思わなかったの?」

「全然。まりえしか 考えられなかった。他の子に 告白されても 付き合う気には なれなかったなぁ。」

「えーっ。純也 誰に 告白されたの?」

私の心に 小さな嫉妬心が 芽生える。


「気になる?」

「うん。」


「心配しなくて 大丈夫。俺 まりえ以外の人には 全然 興味ないから。」

「本当かな… 」

「本当。自分でも 不思議なくらい。まりえしか 見えない。」

「恥ずかしいけど。私も。純也には 独占欲でいっぱい。」


たまには こんな風に 心を伝え合って。


甘い言葉を 聞くことも 嬉しくて。