「待つよ。お父さんの為なら、私耐えるから。」

その言葉を胸に鞄を手に取り玄関に向かった。

朝ごはんを食べる気力もないまま、最悪な日にならないよう願いながら。。。

ピーンポーン。

玄関の扉に手をかけたと同時にチャイムが鳴った。

(誰だろ、こんな朝に)

ガチャ

扉をあけ、る。

ドサッ

「ッ...!!」

目の前にした人を見ながら手が震える。

夏のせいかもしれないが、汗がたれる。

上手く言葉が出ない。

全身真っ黒でフードを被っていたが、その隙間から顔が私にははっきりと見えた。

「お父...さ...ん?」

震える声、溢れる涙。

お父さんはフードを取りこう言った。

「待たせてごめん、さぁ行こう」

「どこに...行くの?」

どこに行くか、分からないのに差し伸べられたどこか温かい手に私は悩むこともせず、その手に応えた。

その時私の視界は暗い闇に包まれた。