ねぇ‥


あたしは
心から



二人を祝福なんて出来ないよ‥。






どうすればいい?



あたし嫌だよ‥。





佳晃が好き。
大好きなのよ‥?




結花は
もぅ‥




佳晃に気持ちを
伝える事は
出来ないんだ。





佳晃‥。









いつの間にか外は雨が降っていた。


窓にそっと近づき
指をなぞる‥。




《佳晃 結花》


立てに書いた名前に
そっと‥
傘をつける‥。



雨に濡れないように。
二人を守るように‥。





「今だけ‥今だけ‥書かせて‥。」



偽物の恋人の名前が書かれた‥
相合い傘。




結花は手の甲で

名前を消した。




まるで
自分の気持ちを

消すように‥。