「うーん...でも別にイギリス人が好きってわけじゃないんだよね」 「はあ?」 「顔は日本人でいい」 「...林野健登(はやしのけんと)みたいな?」 「そう!林野健登さん!まじで理想すぎる~」 大好きな俳優さんの名前に思わず声が高ぶる。 そのテンションの変化に、樹理の表情がちょっと歪んだ。 「ようやくこっち向いたと思ったら...」 樹理は言いながら、私の手元からさっと課題のプリントを取り上げる。