「さあじゃないよ。このまま一生恋愛しないつもり?」 「いや、そんなことないけど...」 ペンを走らせながら、曖昧に答える。 「けど?」 心なしか、樹理の声がワントーンさがった気がした。 「...いないの。理想の人が」 ため息交じりにそう言い放つ。 「イケメンで、長身で、優しくて、気が遣える人...だっけ?」 「そう。英国紳士みたいな人じゃないとダメだから、私」