カウンセリングが必要か聞かれたけれど、その行為自体は日常的だったから必要ないと思った。だから要らないといったら何故か龍斗先生がカウンセリングではないけど私の心理的な面で相談に乗ってくれて入院中は何度も来てくれ、色々な話をした。

同じように学校帰りに必ず蓮が来てくれて30分くらい毎日話してた。1週間もない入院生活だったけど身近な4人のおかげで少しづつ立ち直りつつあった。もちろん亡くなった子を忘れることは無い。それでも前を向くきっかけを作ってくれた4人に感謝しかない。

退院する日が龍斗先生の当直明けだったらしく一緒に帰ることになった。昼前に龍斗先生が病室に迎えに来てくれて龍斗先生の車に乗った。車では2分くらいで歩いて帰れる距離だけど断らなかった。最近は龍斗先生となるべく長い時間いたいと感じるようになった。今までは普通に見れていた顔もふとした時の笑顔を見るとその後顔が見れなくなったりもした。これが恋心だって気付いていたけど、こんなに汚れている私が龍斗先生にふさわしいわけが無い。龍斗先生も目が離せない患者として私を見ているだろうから...。彼女もいるかもしれないし、そうだとしたら彼女さんに疑われて龍斗先生にも迷惑がかかる。


この気持ちに蓋をして、新しく帰る場所になった施設に足を踏み入れる。龍斗先生もついてきてくれて、一緒に挨拶をした。すごく優しそうなお姉さんが出てきて館内を案内された。案内後に龍斗先生は帰り、私は元いた施設の子を探し、一緒に話した。ここはすごくいい人達が多いらしくスタッフも充実しているらしい。あと少ししかここにいられないけれど他の子達と仲良くやっていきたいと思った。