結局どうにも出来ないまま検診の日が来た。今までだったら堂々と行っていた病院も今日は足取りが重い。途中の河原で子供たちが楽しそうに遊んでいる様子を見てまた涙が出てきた。このまま病院に行く訳にも行かず、子供たちが見えなくなってから座り、涙が引くのを待つ。私のお腹に来なければ産まれてからあの子達のように元気に遊び回れてすくすくと育てたかもしれないのにと考えてしまい、一向に涙が止まらない。いつの間にか検診の時間は過ぎていたけどそれどころではなかった。


目が熱くて、自分でも赤く腫れているのが分かる。冷やすものもないからどうにも出来なくて結局ここを動けない。涙は引いたけど、枯れることはなくて止まってもすぐにまた泣くというのを繰り返した。

病院に行けないまま、施設に戻った。そして忘れていたのが、病院をサボるとこっちに電話が来ること。お腹の子のことしか頭になくて鬼の形相のスタッフを見て思い出した。ああ、でもこれでお腹蹴られたら堕ろせるかななんて最低なことを考えながらも、ここでは泣けないと歯を食いしばった。2回に連れていかれ殴られると思った瞬間、電話が鳴った。スタッフが出て、何か謝りながらこっちを睨んでいる。病院の人かな。そう思ってたら電話が終わったらしく、殴ることなく下に連れていかれた。説明はなかったけど、下に行ったら龍斗先生が鬼の形相でこっちを見てたから分かった。