「ごめんなさい、ごめんなさい」

頭を抱えて震えながら謝る。一向に止まない拳の嵐は一体誰のものなのか...。全然記憶にない映像。でも明らかに自分の目に入る手や足が3、4歳のものに見える。これは私の過去?そう思うのと同時に目が覚めた。汗でぐっしょりで息も切れている。夢の中で殴られたところをさする。もちろん痛くない。下を向いて耐えていたせいなのか、夢でぼんやりしていたのか分からないが、殴ってきた人の顔は見えなかった。もしこれが施設に来る前の出来事だとしたら私は虐待によって捨てられた...?いや、でもお母さんとお父さんに挟まれて手を繋いで家まで帰った記憶ははっきりある。この夢は私の中で封じ込められた過去なのか、それともただの悪夢だったのか...。


起きて10分後くらいに外から車の音がした。窓の方を見ると少し明るい。行かなきゃと思うが、なぜか体の力が抜けていて立てない。そう思っているとみんなが寝ているのをお構い無しにバン!と音を立てて部屋の扉を開けて入ってくる館長。数人モゾモゾとしたがそのまま寝付いたらしい。私は館長に無理やり立たされると、そのままいつもの部屋に連れていかれた。