検査が終わってから少しして、診察室に看護師さんが案内してくれた。退院後の注意事項について説明があるらしい。午前のうちに退院の準備は出来ているから、あとはもう帰るだけ。退院の準備って言っても2セットのパジャマのみだったから一瞬で終わった。

診察室の丸椅子で待機していると、龍斗先生が入ってきた。私の向かい側の席に座ると1枚の紙を渡してきた。

龍斗「この紙に基本的な注意事項は書いてあるから後でしっかり読んでね。処方薬については付属薬局が院内にあるから受付で支払いしてから取りに行ってね。」

「はい」

龍斗「それと、恵ちゃんは無理しがちというか、自分のことに対して投げやりなところがある感じがするから、絶対無理しないで何かあったら保健室でもいいから行くこと。もちろん病院に来てくれてもいい。俺か大翔のどっちかは大体いるから。まだ肺の音がいいとは言えないから定期的に病院にも来ること。とりあえず検査結果聞きに1週間後に来るだろうからその時次第で定期検診について決めようか。何があっても俺達は恵ちゃんの味方だから頼ってな」

「ありがとう...ございます」

龍斗「こんだけ言って1週間後にバックれるのはなしにしろよ笑」

と冗談っぽく笑う龍斗先生に、一瞬ドクンと脈が強く打った気がした。

その後、お礼をして診察室を出て、支払いを済ませ、処方箋も貰った。また1週間後に来るけれど、今度は嫌々ではなく堂々と来れる気がする。そんなことを思いながら病院をあとにした。