いつの間にか、ストレッチャーが来ており、看護師や医者の姿が見えた。未だ落ち着かない咳に格闘しながら、座り込んでいると誰かに抱き上げられストレッチャーに乗せられた。

ストレッチャーに乗ると周りから
「聴こえますか〜」「もう大丈夫ですよ〜」「ゆっくり呼吸してください」
色々聴こえる。こんな状況なのに他人事のように、目立ちたくないな〜とか服捲られるのかな〜嫌だな〜なんて考えてた。
処置室に着くと制服のチャックを開けられ下に着ていたキャミソールと下着を切られそうになったところで、手で押さえた。いつの間にか酸素マスクを付け、Spo2(経皮的酸素飽和度)を測る機械が指に付けられていたが、お構い無しに手で抵抗する。
看護師「手どかすよ〜」
抵抗虚しく手を退けられた。痣や傷がある身体を見られた。また手で隠そうとするが
看護師「大丈夫だからね」
といってまた退かされる。何も大丈夫じゃないんですけどなんて言えず、看護師が手を抑えてて動けない。


そういえばいつの間にか咳が止まってる。もう大丈夫なのになんて私は考えてるが、聴診されたり、心電図とったり、X線検査を行ったり。私はもうされるがまま。医者が吸入が何とかって言っていたがなんのことか分からずいると、何かを口元に持ってこられ、
医者「これ押すと薬が出るからその時にタイミングよく吸ってね。行くよ」
と言われ吸った。その後10分後には息苦しさが消え、喉がムズムズして咳が出ることが無くなった。