どうして、君のことばかり。



「……由奈。由奈、だいじょうぶ?」

 声が聞こえて、目を開けた。

 お母さんが、心配そうにわたしの顔をのぞきこんでいる。

「すごい熱よ。明日、病院に行こうね」

「……あ」

 からだを起こそうとしけど、頭がくらっとして、ふたたび倒れこんでしまった。
 お母さんがわたしの額にアイスノンをのっけた。

「おかゆ、食べれる?」

 わたしは首を横に振った。食欲、ない。

「ゆっくり休みなさい」
 お母さんはそう告げると、部屋の明かりを消した。

 今、何時なんだろう。もう夜なのは間違いないけど、確かめるのもしんどい。

 颯ちゃんの傘に入れてもらって帰ったあと、わたしは熱を出して今まで眠り続けていたらしい。

 もう雨音は聞こえない。止んだみたいだ。

 小さい頃の、夢を見ていた。