頭の中が、ぐちゃぐちゃだった。

 その日の夜、何度も絵里からメッセージが届いていたのに、わたしはスル―した。

 森下くんが絵里に惹かれていること、とっくにわかっていたのに。

 いざ目の前につきつけられたら、ショックで。

 かっとして、混乱して。
 絵里に、「付き合えば?」なんて口走ってしまったけど、本当に絵里と森下くんがつきあい始めたら、わたしはどうすればいいんだろう。

 わたしの気持ちは、どうなるんだろう。

 眠れないまま、夜が明ける。

 そして、翌日。

 学校を休みたかったけど、そういうわけにもいかなくて、わたしは重い足をひきずるようにして登校した。

 絵里も、来ていた。
 教室に入ってすぐ、目が合ったけど、わたしはそらしてしまった。

 あからさまだったかもしれない、わたしの態度。

 本当に、嫌な子だよね……、わたし。
 絵里は何も悪いことをしていないのに。
 むしろ、わたしのことを想って、森下くんの告白を断っていたのに。

 ……ううん、だからこそ、悔しかったんだ。
 気を遣われる自分のことが、惨めに思えたんだ……。