日差しは相変わらず強い。
 熱中症予防のために、こまめに水分を取るようにアナウンスがあった。

 午後の競技一発目は、応援合戦。3年生が中心になって企画と練習をすすめてきた。わたしたち1年生も応援用の手作り衣装を着て、3年生が考えたダンスを踊っ
た。

「あっつー。くらくらする」

 へとへとになってテントに戻る。絵里は肩で息をしている。

「絵里。大丈夫?」

「大丈夫だって、これぐらい」
 絵里はにかっと笑った。

「でも、次はリレーでしょ? 走れる? 今だったら補欠の人に代わってもらえるよ」

「心配しすぎ。あたし、これでも負けず嫌いでさ。リレー、何気に燃えてたんだよね。ちゃんと走り切るから、由奈は応援してて」

「……うん」

 絵里は自分の椅子に座ると、ドリンクを一気にごくごくと飲んだ。
 まだ息が荒い気がするけど……。

 午後の競技はさくさくと進む。

 やがて、クラス対抗リレーの選手の招集のアナウンスがあった。
 わたしの心配をよそに、絵里はリレーの集合場所である入場門へ向かっていった。
 颯ちゃんと森下くんも連れ立って歩いていく。ふたりがいるから大丈夫だと思うけど……。