アイスクリームショップを出たあと、しばらく4人で街をぶらぶらして、解散。

 出身中学が違う森下くんだけバスに乗って帰って、わたしと絵里と颯ちゃんは3人で歩いて帰路についた。

 楽しかったけど……、疲れた。

 自分の部屋で、着替えもせずにベッドにからだを投げ出す。
 何度もため息をつきながら、寝返りをうつ。

 お店を出た後も、結局、森下くんは絵里にばかり話しかけていた。
 絵里はそれでも、なんとかわたしも会話に入れるように、話を振ってくれたりしたんだけど。 

 森下くんって、もしかして……。

 その時、わたしのスマホがぴこんと鳴った。
 見ると、絵里からのメッセージ。
 
 “今日、楽しかったね”
 って。
 わたしもすぐに、うれしそうにはしゃいでいるねこのキャラのスタンプを送った。 

 ほんとは、こんなに浮かれた気持ちじゃないけど……。 

 胸の中がもやもやする。これって、嫉妬? 

 森下くんに気に入られてるっぽい絵里に対して。
 森下くんと気さくに話すことのできる絵里に対して。

 はあーっ、と、特大のため息が出た。自己嫌悪。

 絵里はわたしに協力してくれているのに、こんな感情を持ってしまうなんて、最悪。

 わたしはスマホにメッセージを打ち込んだ。

 “森下くんのこと、どう思う?”

 送ったあと、これじゃまるで絵里の気持ちを疑っているみたいな言い方だ、って気づいて、あわてて、

 “どんな人だと思った? 颯ちゃんはいい奴だって言うけど”

 と、つけ足した。