どうして、君のことばかり。

 顔が熱くて。壊れそうなほど心臓がどきどきして。

 颯ちゃんのくちびるが、わたしのくちびるに触れる。



 ……初めての、キス。



 やわらかくて、あたたかくて、うれしいのに、胸の奥が切なくてたまらなくて、泣いてしまいそう。

 ゆっくりと目を開けると、夜目にもわかるほど、颯ちゃんの顔は真っ赤に染まっていた。


「颯、ちゃん」

 わたしの声は、かすれていた。

「由奈」

 わたしの名前を呼ぶ声。

 その声を聞くたびに、うれしくて、胸の奥がふるえるの。

 誰よりも大切な人。

 顔を上げて、颯ちゃんの目を見つめて。
 そっと、告げた。



「大好きだよ」