「…伊月。俺に、言ってないことあるだろ?」

大丈夫。陽都だって勇気をもって進んだ。
だから、進まなきゃ。

「…そうだね。ちゃんと、話すよ。」

真剣な眼差しでこっちを見てくる陽都。

「まず、宮川双子って聞いたことあるかな。」

それに頷いてみせる彼。

「─私達はね、すごく水泳が好きだったんだ。」

さぁ、少しばかり昔のことを話そうか。