「はぁ…。梓月、元気かなぁ」

水泳を思い出すと梓月も思い出す。

ずっと、ずっと一緒に夢を追ってくれた。
梓月の夢は私の夢で、私の夢は梓月の夢だった。

それを今でも梓月は覚えていてくれてる。
申し訳ない反面、これは梓月の夢でもある。
だから私は全力で梓月のサポートをする。

ひやっ。

何か冷たいものが私の頬にあたる。

「宮川、今日はありがとう。これお礼」

彼がくれたのはミルクティーだった。
冷たい、ミルクティー。

「いいよ、たいしたことしてないし。」

ただ…タイムを計っただけだ。

「俺の気がすまねぇから貰っといてくれよ、な?」

きっとこのさりげない優しさがモテるんだろうな、なんて思いつつ

「…ん、ありがとう。」

私はミルクティーを受け取った。

「いーえ!んじゃ、帰ろうぜ。」

暖かい陽のような笑顔で言ってくる彼。

「え?」

「送るよ。最後まで付き合わせて。」

ほんとに優しいんだな。
きっと何言っても送ろうとしてくれるんだろう。
さっきのミルクティーの件で思ったから素直に頷いた。

「ありがとう。」

「おう!」