真子はちょうど1年前にドラッグストアでのアルバイトを始めていた。

高校が進学校だったこともあり、人生で初めてのバイトだった。


「橋本店長、すみません…」

「ん?」

「この商品についてお聞きしたいことがあって…」

店長には店長の仕事があり、質問するのが時間を奪ってしまっているようで申し訳なく感じ、真子はすごく控えめにコミュニケーションをとっていた。

しかし、それだけではなかった。
この店長には性格に難があった。

アメとムチと上手く使い分ける。
しかし割合的に、真子に対してはムチの方が圧倒的に多かった。

客観的に見れば「悪い男」である。