2017年、夏。

荻原真子は大学2年生の夏休みを迎えていた。

大学では、単位を落とさないギリギリの出席数に加え、授業も比較的楽に取得できるらしいと噂の授業ばかり履修していた。

真子は大学で文学部に所属していた。
高校3年生の部活を引退した後、1日13時間図書館に引きこもり死に物狂いで勉強し、偏差値60程の大学に合格した。

決して勉強が嫌いな訳では無い。むしろ学ぶことは好きであった。

しかし勉強を疎かにしてしまうほど魅力的なものを彼女は見つけてしまったのである。


それはアルバイトだった。