すごいけど、ライフスタイルが違いすぎてここから擦り合わすなんてどうしたらいいのか全く浮かんでこない。
よく考えたら私はそんなに海外には行かないし、仕事で海外へ行ってその上趣味も海外旅行だなんて、この人と一緒に行動したら疲れそうだ。
「……戸川さんは、どうして婚活をなさっているんですか? なんだか完璧で、お相手なんてすぐに見つかると思うんですが……」
彼は当然の質問だと思ったらしく、方向転換をした話題にも滑らかに答えた。
「今まで、付き合ってから条件が合わないと感じることが多かったので、最初から条件が提示できる婚活は合理的なんです。長く付き合っても結婚に至らなければ、時間が勿体ないですからね。早めに子供を持ちたいと思っているので、あまり遊んではいられません」
「私、戸川さんの提示する条件をよく確認していなかったのですが、どんなことでしたっけ?」
「二十代、正社員、年収五百万円以上。自分で言うのもなんですが、僕の給料が目当ての女性ばかりでうんざりしていたんですよ。普通に出会って付き合ってもそうです。結婚したら当然に僕に養ってもらうつもりでいられると、冷めますよね。ですから自立した女性に限らせてもらいました」



