「都筑さん……?」

続きが始まらないため私も背筋を戻してしっかりと目を開けると、腕を組んで考え込んでいる都筑さんがいた。

そして何かぶつぶつ言っている。

「……そうか、涙か……」

「都筑さん、あの」

「有村。トワイライト・ミシェル、今のラフより良いものを思い付いた。お前のおかげだ」

「……は、はあ」

「有村がいるとやっぱり良いな。自然とアイディアが湧いてくる」

何……デザインの話?
私が今泣いて、インスパイアどうのこうのってこと?

「今……今ラフ描きたいな。くそ、PC車の中に置いてきた。何か紙に……いや、いっそ戻ろう。悪い有村、会社に戻る」

「……はあ」

「じゃあまた、休み明けに会社でな」

……ええ……?