握り合わされた手の向こうに都筑さんの顔がある。
メイクでもしているのではないかというほどくっきりとした二重の目が、ギョロッとこちらを見つめている。
「有村やっぱり誤解してる。確かに秘書を辞められたらもちろん困るし、なりふり構わず告白したのも秘書を辞めるんじゃないかって思ったからだ。でもそれだけじゃない」
握られる力と紡がれる言葉に、呼吸が止まりそう。
「有村のことが好きなんだ。秘書だとか関係なく、付き合ってほしいと思ってる」
ストレートすぎることばっかり言ってこないでよ……!
ついさっき気持ちに区切りをつけたのに……!
顔が熱くて、真っ赤になっている自信がある。
手汗も絶対かいてる。
「そ、そんなこと、言われても……」
断らなきゃ……断らなきゃ……。
強い力で束ねられている手がだんだんと引き寄せられていく。
一応告白は断っているところなのに、どうしてここまで迫ってくるの。
この人、普段から私に自分勝手に触れているせいで感覚が麻痺しているんじゃないだろうか。
そのせいで、こちらは魔法がかかったみたいに動けなくなる。



