今日予定されている打ち合わせは都筑さんが主導、若林君がアシスタントを担当しているスキンケア大手『モイストアメニティ』の店舗デザインラフについて。

しばらくして向こうの担当者が到着したため、私は彼らが入ったミーティングルームにお茶を出した後は手が空いていた。

この時間にスケジューリングと領収書の整理を済ませ、頼まれていた備品を揃えるために駅前のホームセンターへ徒歩で向かった。

晴れた空の下を歩くと、少し冷静になれた。

徐々に気持ちが絆されている。

都筑さんへの気持ちは消し去ったはずだったのに、さっきのように迫られて、私の想いの蓋は簡単に開いてしまった。
蓋をするのに三年もかかったのに、開くのは一瞬なのだ。

こんなに急な展開は予想外すぎて全然気持ちが付いてきていないけど、あそこまで真剣だと言ってくるんだもの……。

若林君に“所有物”なんて言われたから受け入れる決断ができなかったけど、断ることは思い付かなかった。

都筑さんを信じて飛び込んでいいんだろうか。