しばらくすると、図書室から大槻と松下さんが出てきた。

「じゃあね、優喜君、神菜ちゃん」

と言って松下さんはさみしそうな感じで帰って行った。

「おおつきくーん…」

あたしはギロリと大槻を見た。

「な、なんだよ、その目つき!お前が勝手に勘違いしてたんだろうがっ!」

うっ…そう言われてしまうとそうなんだけど…。

「で、どこからあたしを騙してたわけですか?」

「はぁ?何だよその言い方は!」

「まあいいや、こんなところで話しててもらちあかない。とりあえずどっかいこ。」

「へ?」

大槻がきょとんとしている。

「スタバかどっかでお茶するの!じっくり松下さんのこと話聞きだしてやるんだからっ!!!」

「い、いや、ちょっと待てよ、まあ確かに俺今日バイトないけどさ…」

かたくなに拒む大槻にいらついた。
なによ、そんなにあたしの誘いは嫌なわけ?!

「嫌とかなんとかじゃなくて…あんまり一緒にいるところ見られたくないんだけど」

うっ…そう言われてみれば確かに…クラスで変な噂立てられたくない。

私の学校は、繁華街に近くて、大体の子たちが放課後は繁華街によってから帰る。駅があるから通らなければならないというのもあるのだけど。
でも自転車通学してる奴らまでそうだから、結構繁華街でばったり学校の人と会うなんてザラにあるのだ。

う~ん困ったな…。