「ねぇ?どうしてだと思う?」
大槻がはぁ?と言う顔をしてあたしをみた。
「そりゃお前、お前があいつのこと好きじゃなかったんだろ」


へっ?

何言ってんの?

あたしタク先輩のこと大好きだったよ?

「ちげーっつの。あいつに好かれようと必死で、自分の思いなんてわかんなかったんだよ。初めての彼氏に舞い上がって、その存在だけで満足してたんだって。」

「…大槻…」

ちょっと前を歩く大槻を睨みつけてあたしは言った。

「一発殴らせろーーーーー!!!!!!!!」

飛びかかったあたしにびっくりした大槻は、とすんとあたしを受け止めた。

「なんだお前、図星か。」

「違うもん違うもん。ほんとに好きだったもん。…たぶん…」

「付き合ってる自分に酔ってたんだよ。」

グズッ…そう言われると悲しくなってきた…確かにその通りだったのかもしれない。彼死と言う存在に満足していた部分は確かにある。だってこの年で彼死できないのってちょっと不安だったから…。

うえっ…

「あー待て待て、泣くな泣くな」

大槻が慌てるのをよそ眼に、あたしはワンワン泣き出した。