のほほんとした感じで、食卓が囲まれることに決定した。

結局あたしは帰らずに、一緒に食事をすることになったのだ。

「神菜ちゃんはお菓子が大好きなんだよね?」

「あらそうなの?じゃぁ少し差し上げたら?」

おばさまがありがたい言葉を言ってくださった。ぴくっとあたしも反応して、

「えっ、くださるんですか?!」

と、ちょっと跳ねた感じで答えてしまった。

「いくらでもあげるわよ、だってうちお菓子屋さんですものね」

素敵なおばさま…

大槻はそんな中もくもくと鍋をつついていた。おい、何かしゃべれっつーの。

「うちには洋菓子しかないけどね、それでもいいかい?」

「よっ、喜んで!」

思わずにんまりしてしまうあたし。図々しいにもほどがあるけど、このご好意はありがたいんだもの。バイトもしてないあたしにとって、おこずかいでお菓子を買うってのは結構大変だったんだよね。

しかも洋菓子、うっ、嬉しい…!!!

「でも、お前もうグミ食う必要なくね?」

ぽつりと大槻が言い放った。

あ…

タク先輩…

そう、グミはあたしとタク先輩をつなぐ懸け橋だった。

さっきあんなことがあって、たぶんタク先輩はあたしと別れるだろう。むしろもう連絡が取れないかもしれない。

あたし、もう変わったこのふりしなくていいんだった…。