「今、あたしのこと神菜って呼んだ。」

「わりーかよ」

「神菜って呼ぶのは友達か彼氏だけなんだよ。ほかの人はみんな苗字で呼ぶもん。」

ちょっと意地悪そうに言ってみたつもりだったけど、大槻のまじめな顔は変わらなかった。

「じゃぁ最初は友達な。」

「…………最初?」

「そのうち…彼氏になるかも知れねーだろ」

ぷいっと横を向いて大槻が言った。


………………え?


ボンっとあたしの顔が一気に真っ赤になった。