大槻の自宅はかっこいい西洋風の一戸建てだった。

ここはひとつ、助けていただいたお礼として勇気をもってブレザーを返す!ブレザー返すだけだってすごい勇気いるんだからね、だってほとんど他人の大槻だもん。

ピンポーン

チャイムを鳴らすと、すごいかっこいいオジサンが出てきた。
多分大槻のお父さん。

「おや、どなたですか?」

「は、はじめまして、私大槻君と同じクラスのものです。ちょっと大槻君に用事があってお尋ねしました…!」

するとオジサンはにっこり笑ってくれた。

「優喜が女の子を招待するなんて久し振りだよ、ぜひあがって行きなさい。」

ゆうき?大槻って優喜って言うんだ。ちょっとおかしいな。…え?てゆーかブレザー返すだけなんだけど…でもおじさまにブレザー渡すなんてすごい不自然…え?あがるしかないの?!てゆーか大槻、まだ帰ってきてないのーーーー?!

「優喜はアルバイトでもうすぐ帰ってくるよ。」

…へ?バイト?なんでバイトなのにあの時間まで学校にいたの…?

そ、それはいいとして、なんかちゃっかりあがりこんじゃってるあたし…。どうすればいいんだろう…実は男の子の家って一人で来るの初めてだったりする。タク先輩の家だって行ったことなかったし…。

どう振る舞えばいいのかわからないよ!

オジサンは「紅茶でも入れてあげるね」と言って、部屋に通してくれた。その途中にたくさんのお菓子を発見!

「あっ、これ!!!」

カッチェスのサワーアップル味のグミ!こっちにはハリボ!サンキストはあんまり得意じゃないんだけど…でもいっぱいある…

「どうしたの?珍しいかい?」

「いえ、グミ、大好きであたしいっつも持ち歩いてるんです!」

何を思ったかあたしはガサガサと鞄から自分のグミをオジサンに見せた。