タク先輩があんな人だったなんて…ショックで頭がふらふら。

もう、わんわん泣いたし、ちょっとすっきりした。はだけた制服をきちんと整えて、ふと思い返してみる。

全部大槻のおかげだ…。

大槻、案外いいやつじゃん…って言うかなんで偶然ここにいたんだろう、大槻…。

そのときはっと気がついた。


しまった、このブレザーどうすればいいの?!


明日教室で返すことは簡単だけど、みんなの視線もあるし、かと言ってもう大槻は帰っちゃったし、追いかけるには時間を食い過ぎた。靴箱に入れるには大きすぎるし、あーーもうどうしよう!このままパクっちゃおうかなぁ。

でも制服なんて何着も持ってるもんじゃないからそれも困るだろうし。

大槻ってどこに住んでるかも知らない…。

ごちゃごちゃ考えてる間に、時間はどんどん過ぎていく。

やっぱり、大槻のバカ!!!



…そういえば…

輸入菓子専門のお菓子屋さんって言ってたよね、それって結構簡単に見つかるもんじゃない?