「遅いよ先輩ーみんな帰っちゃったよ!」

「わりーわりー、ちょっと用事できちゃってさ。でも来てやっただろ?」

にっこりとほほ笑むタク先輩。

う~ん、この笑顔を出されたら何も言えないよー。だってめちゃくちゃ素敵なんだもん!

「タク先輩、どうする?もうこんな夜の学校いても、どうしようもないよ?」

「まぁ確かにそうだなぁ…」

ぐるりと教室を見渡すタク先輩。

「いやーでも帰ってきたぜ、わが母校って感じだな!」

「あはは、何それ、古っ」

と、笑っている隙をつかれ、あたしはとすん、と椅子にもたれかかった。

タク先輩が抱きついてきたのだった。

「先輩ー、だめだよ、学校だよ。」

振りほどこうと必死になってても、タク先輩の力は弱まらなかった。


「バカだな、神菜は。だから燃えるんじゃん」


えっ?

マジで?

こんなところで?