もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

その足音にすら重々しい存在感を感じる。

「・・・」
私はその人の顔を見る前に、視線の方向を変えて、先を歩く恭の方へと移した。

「鈴っ!」

私の名前を呼んだのは恭じゃない。

その声に私は聞き覚えがあった。

『これは鈴の音』・・・

先を歩いていた恭が私の方を振り返る。
その視線を感じながらも私は身動きが取れなかった。

体が固まり動かない。
呼ばれた方を振り返ろうとしても、振り返ることができない。