もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

メインイベント会場のセッティングを恭と私が終えようとするとき、「準備できましたか?」とスーツ姿の男性に声をかけられた。
「はい」
私が返事をすると、会場になっている部屋の隣にある個室の扉を開けて、その男性は中に声をかけた。
「支度済んだそうです」

その様子を見て、今日のメインゲストであるピアニストに、声をかけているのだとわかった。
「これからリハーサルをしますので」
とスーツ姿の男性は恭と私に断る。

私たちはステージから降りてその場を離れようとした。

なぜか私はメインゲストが出てくる扉を振り返った。



開いている扉から、白いワイシャツに黒のパンツ姿の男性が出てくる。