もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

私が両耳をふさぎ目を閉じると恭が私の両肩をがしっとつかんだ。
「大丈夫か?鈴?」
心配そうな恭の声に私は目を開けた。

「・・・なんだろ・・・初めての感覚だった・・・なんか・・・」
なぜか体が震える。
全身が自分の物じゃないように震える。

私の両手が大きく震えていることに気が付いた恭は私の両手をギュッと自分の手で握って包み込んでくれた。

「座ろう」
そう言って私をピアノが設置されているステージの段差に恭は座らせた。
「なんか・・・何かが・・・ふって・・・ふって浮かんで・・・」
「・・・」
まっすぐに恭は私を見つめる。
「わからないけど・・・なんだろう・・・」
「落ち着け。深呼吸して。」
その言葉に私は自分の呼吸に集中する。

でもいつものパニックになるときの状況とは違う感覚で、私は戸惑った。