「あー!!」
浴室から聞こえる声に「どうしたっ!?」と急に扉が開く。

慌てた様子で扉から浴室に飛び込んできたのは長谷部恭。
海の近くにある小さな病院の精神科で医師をしている。

しわしわのシャツを着て、髪はいつも無造作ヘア。

背が高くてとにかく体が大きい。

珍しく慌てているのは私が突然浴室から声をあげたからだ。

「なんだっ!?」
素っ裸の私に動じることなく恭は私を見つめる。

「ちょっと・・・」
私は恭とは対照的に照れて近くにあるバスタオルを体に巻き付けた。