「愛してる」
何度もそう言ってくれた恭。

私も何度も答える。

「愛している」と。


しばらくして完全にあたりが暗くなると、恭は私に手を差し出した。

「帰ろうか」と。

その大きな手を握り、私たちは並んで歩き始める。

懐かしい道を歩きながら隣を歩く恭を見ると、恭も見つめ返してくれる。

恭の背中に隠れるようにして同じ道を歩いていた過去を思い出す。

今は隣を歩いていることが不思議なくらいだ。
でも、心地よく・・・恥ずかしいほどに・・・安心できる場所・・・。