もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

「でも、こんなダメな両親でも、娘はきっとまっすぐにいい子に育っているはずです。そこは似なかったはずなんです。幼いころから、ほかの誰かを責めることはしない子でした。なんでも自分にも責任があると、幼いころから自分ではない誰かのことを思う優しい子なんです。優しすぎて、自分を責めすぎるところがあると私の両親からは聞いています。」
「・・・」
「長谷部さん、どうか・・・娘をよろしくお願いします。」

今の私と嶺の関係に名前を付けるとしたらなんとつけたらいいかわからない。

この先もどうなるかわからない。

でも嶺は私の思いを知ってか知らずか、涙ながらに頭を下げる父に「はい」とはっきり返事を返してくれた。

今はこうすることが一番、罪を感じている父を救えると知っている嶺。

私のために涙を流して、私の家族のためにこたえる嶺。

その存在が私にどれだけ大きなものか私は思い知った。