もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

「困ったことがあったらいつでも連絡をしなさい。」
「・・・ありがとう・・・」
落ち着くと父は私に連絡先の書かれた紙を渡した。
「あの家は・・・」
その言葉に嶺の言葉を思いだす。

私を育ててくれたという祖父母の家は父が今は所有していて、完全に形を変えているということを。

「鈴が育った家は取り壊したんだ。完全に。」
「・・・」
嶺からすでに聞いていた私は知っているというように、首を縦に振った。

「部屋はたくさんある。」
「・・・?」
「いつでも、鈴が来られるようにって、再婚した妻も同意のうえで建て替えた家だ。」

まさかの話に嶺と私は目を合わせた。