もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

私の考えを止めるように、恭に声をかけられた。

「紅茶そのものはあんまりよくないって長谷部さんに聞いたんだ。鈴。おいで」
ダイニングに手招きされて、私は嶺のもとへ近付いた。

「座って」
椅子に私を座らせると目の前に嶺がカップを出した。
「鈴の好きな紅茶をミルクティにしてみたんだ。おいしいかはわからないんだけど」
少し寝ぐせのついた頭の嶺。
苦手な早起きをしてこうして紅茶をいろいろと考えていれてくれたことがうれしい。

「いい香り・・・」
嶺の緊張気味な表情を近くに、私は口に運んだ。

甘くて、優しい味。

「おいしい」
体の隅々に広がるようなあたたかい味。