「じゃあ、着替えて帰宅されて結構ですよ。帰りに薬局でお薬もらって行ってくださいね。」
「はい。ありがとうございました。」
自分のことのように頭を下げる二人を私はじっとみつめていた。

「鈴」
恭が医師の出て行った部屋で私に話しかける。

「さっき廊下で神永さんと話をしたんだ。」
「・・・」
「これから神永さんのマンションの部屋に帰るんだけど、俺もしばらく一緒に住まわせてもらうことにしたから」
「・・・え?」
「仕事も段どりはとってきたし、一度荷物を持ちに帰るけど、そのあとはしばらく一緒にいられるようにしたから。」
「・・・」
本当に私は恭の家ではなく、この男の人の家にいたのだろうか。

不安でしかない・・・